【ヨルシカ】451という楽曲の魅力について

こんにちは、ヨルシカオタクことなだと申します。この記事はみす56代 Advent Calendar 2023 - Adventarの4日目に位置しています。本日は僕の好きな曲の布教をしようと思います。

 

始めに


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聴いてもらうのが一番速いです。この曲を聴きましょう。僕は今年この曲を1番聴いていました。

ですが、この曲はヨルシカを結構追ってるファンにしかあまり刺さらないかもしれないです。ヨルシカをあまり知らない人は、ボーカルが男性なことにまずびっくりするでしょう。また、この記事で書くことは僕の一解釈です。

 

背景知識

 

この楽曲は、2023年4月5日に発売された音楽画集「幻燈」に収録された楽曲です。このアルバムにはなんとCDが入っておらず、楽曲とペアになった絵を専用のWebページで読み込むことで曲が再生されるという、斬新な形態を取っています。また、前半の15曲はすべて文学作品を元にして作られており、この楽曲「451」は「華氏451度」という小説が元になっています。華氏451度は紙が自然発火する温度であり、書物の所持や読書が禁じられた世界での人間模様を描いたSFだそうです。しかし私はこの小説は履修していないので、元ネタに関連する深い話はできません......謝罪。

 

まず普通に曲が好き

まず歌詞とか抜きにして曲がめっちゃ好きです。Aメロはギターとか無しで静かな雰囲気で始まります。跳ねたリズムにキーボードの裏打ちのリズムがオシャレ。サビ前ではドラムが控えめになり、ギターのフレーズと、じゃんじゃんじゃんじゃんじゃかじゃーんというバッキングに合わせた半音の上げ下げのメロディーによって爆発します。

サビでは「燃やして」「踊って」というシンプルな歌詞と叫ぶような歌声。前半で燻っていた火がサビで燃え盛るようなイメージが湧きます。コード進行も好きだしsuisさんのコーラスも新鮮味があって最高です。

そして間奏も好き。ギターとドラムのリズムが楽しいですね。男の人の低音もかっこいい。こういう、意味の無い文字列を即興的に歌うことを「スキャット」と言うらしいです。スキャットかっこいい。

まぁもうこの曲の全てが好きなんですけど、ラスサビ前が1番好きですね。ジャジーなギターのフレーズとウィスパーボイス、そして「妬けるほど愛して!」。ダンダンダンダーン!はいカタルシス

 

n-bunaさんが歌うということの意味

ヨルシカといえば、コンポーザーのn-bunaさんとボーカルのsuisさんの2人組ユニットです。ですがこの楽曲の概要欄を見ると、なんとボーカル:n-buna、コーラス:suis...。ヨルシカで出された曲で、メインボーカルをn-bunaさんが担当するということは、72曲目にして初めてのことでした。しかも特に予告なしにこの曲が投稿されたので、僕は冬合宿先でひっくり返りました。

n-bunaさんの声めちゃくちゃかっこよくないですか?ハスキーで少し息の混じる歌声。文学的なヨルシカの雰囲気に合っていて大好きです。かつてn-bunaさんは個人のアカウントでツイキャスをしていて、ギターを弾いたり弾き語りしたりしていましたが、その時は自分の声を好きじゃないと言っていました。また、ファンクラブ限定のラジオなどを聴いているとsuisさんの歌唱力へのリスペクトがとても伝わってくるので、そのn-bunaさんがあえて自身で歌うということはとても意味を持ちます。

今までの楽曲を通して、「男女2人の生まれ変わりを描く」という一貫した世界観を持っていたヨルシカが、唯一「ファンに意識を向けた」楽曲だと思います。我々ファンにとってこの曲は最高のファンサービスなわけです。

歌詞について

Spotifyでは、幻燈の各楽曲に対するヨルシカのインタビューが聴けるのですが、451に対してn-bunaさんは「創作の曲」と言っています。僕は、楽曲内における火というのがつまり創作の比喩だと思います。

1番の歌詞「胸の辺りが少し燃えてる」というのは、男の中に燻っているもの・創作として表現したいものを表しており、それを道行く誰かに嘲笑されている。そして、男が紙に触れることで遂に紙が発火する、つまり創作として表れる。僕はそんなイメージを読み取りました。

2番の歌詞では、炎に群がる大衆がファンを表してると思います。「俺の蒔いた炎の意図を探してる」なんてまさに考察で盛り上がるファンのことですよね。ヨルシカの楽曲のコメント欄には考察するファンが大量にいます。そんなファンに対して「変な奴らだ」「たかが炎一つに熱を上げてる」と言ってるわけです。興奮しますね。

サビの「燃やして」「踊って」というシンプルな歌詞と叫ぶような歌い方、また、「あぁ面倒くせえ」「さぁ消費して」という歌詞からは、「何も考えずにただこの火を大きくしろ」という強い感情が見えます。この歌詞は、ヨルシカの楽曲を聴いて盛り上がったり踊ったりしている僕達への肯定のように感じて、嬉しいです。

そして、ラスサビ前の「妬けるほど愛して!」という歌詞......最高ですね。

ライブでの451

5thアルバム「盗作」以降の楽曲ではn-bunaさんがコーラスに入る曲も増えてきました。しかし、メインボーカルをするというのはやはり特殊なので、ライブで聴けるとは思っていませんでしたが、2023年LIVE TOUR「月と猫のダンス」では451を聴くことができました!!!451が一番テンションぶち上りました。1つ前の楽曲が演奏し終わり、暗転した中でn-bunaさんがギターを置いて前に出てきたところで、脳内は「!?」で埋め尽くされます。赤いスポットライトに照らされて、くるっと1回転したりして結構激しく踊りながら歌っていました。途中スポットライトを外れて、前の方の席にファンサービスしたりもしてたらしいです。ヨルシカのライブは声出しNGなので、席に座って背筋ピーンで聴いてる人が多いんですけど、僕はもう体が動いてしょうがなかったです。この曲を今後ライブでやるかどうかは結構怪しいので、今回のライブ行けて本当に良かった。またやって欲しいですね。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。この曲の魅力が少しでも伝わると嬉しいです。

また、この曲はカラオケで歌うと楽しいです。「燃やして」と大声で繰り返すのは凄くストレス発散になります。皆さんもカラオケで全てを燃やしましょう。